昔々の話です。宮古島が大干ばつで飢饉になり食べ物が無いときに心優しい
女が食べ物を捜し求めて、1日中野山を探し歩いても見つからずに、ヘトヘトになり
もうろうとした状態で、アダンの木の下で休んでいたら、どこからともなく歌が聞こえてきた。
その声は亡き父の声に聞こえたそうだ。
「茨をかき分けグミの木の茂みを潜り抜け茅の中を分け入って行くと、見事に生えている
神様の草、命の草を見つけるでしょう。それこそがトゥナラ草です。トゥナラ草は生命の草、
神様の草だからそれを摘み取って食べ、島の続く限り、世の続く限り、宮古島のように、
生命永らえなさい。心美しき女わらべよ。」
この歌のトゥナラ草は秋ののげしと言われています。この草も普通に見ることができます。
そして、普通にみなさんの食卓に上っていますし、大変おいしいです。
だからといって、その辺にある畑からとってはいけませんよ。
最近の畑は農薬が撒かれている場合が多々あるからです。
畑に誰かいましたら、とってもいいか声をかけてから摘み取れば問題ありません。
摘み取って安全に食べることができれば畑の主も快く教えてくれるはずよ。
この歌の存在を知ってから、トゥナラ草に対する気持ちが大分変わりました。
今までより、なお、トゥナラ草が食べられることに感謝して神様に感謝する心が
フツフツと沸いてくるのです。今日もありがとう。